デスクワークの方で、肩をすくめる癖(怒り肩)になっている人がしんどくなりやすい所です。
『肩こりの筋肉』と言われる程、疲れや痛みを感じる方が多い筋肉。
首や背中にかけて広い範囲に痛みが出やすく、寝違えの原因にもなりやすい筋肉です。
【起始部】
外後頭隆起、上項線、項靭帯、第7頚椎・全胸椎棘 突起・及び棘上靭帯
【停止】
肩甲棘、肩峰、鎖骨外側1/2
【作用】
上部:上肢帯骨を内上方に引く(頭を後ろに引く)
中部:肩甲骨を内方に引く
下部:肩甲骨を内下方に引く
全体:肩甲骨下角を外に回転する
【症状】
・肩こり
・肩の痛み
・患側の回旋制限(痛みがある方を向きづらい)
・反対側への側屈制限
・怒り肩になる
・背部や上肢に放散痛が出る(頸椎椎間の圧迫の為)
【施術ポイント】
☆肩井(けんせい)=(第7頸椎棘突起と肩峰を結んだ線の中点)
1.皮膚面に対して垂直に指圧する。
2.気持ちいいぐらいの持続圧を加えながら、患者様に、首を反体側に回旋してもらう。
3.息を吐きながら3秒間キープして、元の状態に戻す。
4.反応点を探りながら、3回繰り返して筋肉の硬さをチェックする。
☆起始部の外後頭隆起も、硬穴(こうけつ)が出来やすいので、指圧にて筋肉を緩める。
☆肩甲棘の外側上部(棘上筋の付近)に硬穴が残りやすいのでアプローチを忘れずに!
【一緒に硬くなりやすい筋肉】
・肩甲挙筋
・菱形筋
・胸鎖乳突筋
・斜角筋
肩をすくめる動作で一緒に使う筋肉が硬くなりやすい。(共同筋)
首の制限が起こりやすく、首や肩を回してほぐしたくなる。
【僧帽筋が硬くなる原因】
①内巻き肩
肩甲骨が背骨から離れる状態になる=僧帽筋上部が常に引き延ばされてしまいます。
筋肉は常に伸ばされた状態では硬くなります。
筋肉が硬い状態は血流が悪くなり、怠さ、痛みを伴います。
固まった状態から急に動いたときに寝違えることも多いでしょう。
②ヘッドダウン
デスクワークや勉強などで、頭が前方に落ちている状態の事です。
頭の重さ(体重の8分の1~12分の1)を支えている位置が前に行けば行くほど、首のかかる負担は比例して増えていきます。
支えになる骨盤、背骨の位置も一緒に指導して、疲れにくい状態を伝えるようにしましょう。
【セルフケア】
『肩を耳に付けてから、ストンッ!』
①正しい姿勢で座ってもらいます。
②患者様の両肩(肩峰)を両耳に3秒間近づけてもらいます。
③肩の力を脱力して、ストンと肩を下ろしてもらいます。
④1~3回繰り返してもらいます。
↓コツを書いておきますね!
※回数を多くやりすぎると痛みが出ますので必ず回数を伝えてください。(悪化します)
※頭が前に落ちていないか?内巻き肩になっていないか?をフォームをチェックしてください。(効果が出ません!)
※呼吸を止めないようにしてもらいます
【施術方法のコツ】
患者さんの「肩井」に硬穴ができやすいので、その周辺で一番硬くなっている所を探ります。
皮膚面に対してまっすぐ指を当て、垂直に押し当てていきます。
自分の親指で硬穴に当たった感覚を確かめながら、すこしキープします(2~3秒)。
ゆっくりと指を皮膚面まで離していきます。
数回上記の動作を繰り返すと筋肉が緩むのを感じます。
患者様には痛気持ちいい感覚で受けて頂きましょう。
※痛いと肩をすくめてしまい、逆に筋肉が硬くなります。
【まとめ】
①僧帽筋は肩こりや寝違えで真っ先に疑う場所
②デスクワークの方に負担がかかりやすい場所
③代表的な筋肉なので、起始部をハッキリ触れるようにしておくべき場所
慣れてきた施術者が、適当な手技になりやすい場所なので注意が必要です。
特に患者さんの施術に入りだしてから3か月~6か月ぐらい経った時に注意しましょうね!
より具体的な治療法について知りたい方や、解説をしてほしい方はぜひコメントをください。