- 咀嚼筋のうち浅層にある筋肉なので、歯を食いしばるとほぼ全体を触れることが出来ます。
- 顎の痛みの原因になりやすい部分です。
- 常にかみ合わせていると過剰発達により「顔が大きく見える」ようになります。
「浅部」
起始部 :頬骨弓の前2/3
停止部 :下顎骨咬筋粗面下部
「深部」
起始部 : 頬骨弓の後ろ2/3
停止部 : 下顎骨咬筋粗面上部
支配神経:咬筋神経(第V脳神経→三叉神経の第三枝である下顎神経の一つ)
作用 :下顎骨が上に上がり、咬むことが出来る
関連筋 :側頭筋、外側翼突筋、内側翼突筋(口を閉じる動作)
拮抗筋 :顎舌骨筋、オトガイ舌骨筋、顎二腹筋、外側翼突筋
【3つの特徴】
①歯を食いしばる
咬筋は下顎骨(下あご)を持ち上げる筋肉であり、物を噛むときに使う筋肉です。
咬筋が硬くなることで、 寝ている間や仕事中など、常に歯を噛みしめた状態になってしまいます。
食いしばりや歯ぎしりを治すためには咬筋の硬さをチェックすると良いでしょう。
まずは普通の状態を覚えておくことが必要です!
人は、唇を閉じた状態で歯と歯の隙間が少しだけ空いているのが良い状態とされています。
私は昔から噛みしめの癖があるため気づいた時には上下の歯が合わさっている状態になります。日常生活中は注意して上下の歯を噛みしめないように気を配っています。
患者様に咬筋の硬さがあると判断する基準の一つとして、普段の口の状態を聞くことも大切ですね。
②顎の痛みを引き起こす
咬筋に必要以上に力がかかってしまうと、顎関節に痛みが発生します。
(顎関節は「側頭骨の下顎窩」と「下顎骨の下顎頭」を連結している部分であり、その間に関節円盤があることでスムーズに顎が動く仕組みになっています。)
体表部分では「耳の前方」がこの部分に当たります。
咬筋が硬くなると、関節部分に圧力をかけた状態のまま食事をしたり、会話をすることになります。どんどん関節に負担がかかり、炎症を起こして痛みが発生するのです。
特に咬筋の深層部分(ツボでいう「下関」)が硬くなることが原因となります。
※関節円盤が前方に移動してしまうと、顎関節の痛みはなかなか治らなくなります。歯の歪みが原因となり咬筋の緊張を引き起こしている場合も多いので、歯医者さんに通うことも必要ですね。
③顔が大きくなる
咬筋が緊張を起こしていると、フェイスラインに関係する「えら」の部分が出っ張ってきます。その結果顔が大きく見えてしまうのです。
咬筋の硬さを取るケアをすると、エラの部分がシュッと引き締まります。
美容整形では「ボトックス注射」などで筋肉使わないようにする施術があります。美容鍼の場合は、筋肉に刺激を与えて、必要以上にこわばってしまった筋肉を緩める効果があります。
※マッサージを行う際は「かなり優しい力」で行うようにしてください。
咀嚼筋の中でも浅層にある筋肉で、刺激を受けやすい部分となっています。
強い力で施術した場合、直後は緩んでいますが、時間が経過すると防御反応で余計に硬くなってしまいます。
手を添えるぐらいでも緩みますので、まずは優しい刺激を心がけましょう。
「コメント」
痛みの改善や、美容の観点からも大切な筋肉となっております。
セルフケアには「頬車」をそっと指の腹で指圧するといいですよ。
下顎角(えらが最も貼っている部分)から斜め上に指一本分の場所です。
※深層の部分をケアする場合は、耳たぶの裏のくぼみ「翳風」に指を添えて、鼻の方向に少しだけ圧を掛けます。
胸鎖乳突筋との関連が深く、この筋肉が硬くなると咬筋も一緒に硬くなります。
また頭の重さがかかる姿勢になると食いしばりやすくなります。
猫背やストレートネックで首に負担がかかった状態になることを避けましょう。
「「咬筋」えら。噛みしめ。小顔。3つの特徴と触り方。」に5件のコメントがあります